第52回:歯周病の治療とメインテナンス・定期検診のすすめ | |
水島歯科診療所 歯科医師 辻 重真 |
〈歯周病のなりたち〉 歯周病は、口腔に住んでいる歯周病菌が繁殖し、歯周組織(歯肉、歯槽骨)に炎症を引き起こすことによって発生・進行します。自覚症状としては、歯肉の炎症に限局した発生初期には、ブラッシング時の歯肉からの出血があり、歯槽骨まで病変が進行する中等度から重度の歯周炎になると、常時歯肉からの膿の排出や、歯の動揺が現れてきて、口臭の大きな原因となります。歯周病の痛みについては、虫歯から起きる歯髄炎(歯の神経の痛み)などと比べて、激烈な痛みは伴わないことが多いようです。病気の進行は一般にゆっくりですが、進行のパターンは階段を落ちていくように、急速進行期(腫れたりした時)と緩解期を繰り返していきます。いずれにしても歯肉の内部で進む病気なので、自覚症状に頼らず、定期的にチェックを受けて、病気の進行を防いでいくことが大切です。 〈歯周病治療とメインテナンス〉 歯周病治療は、家庭療法(適切なブラッシングなど)と歯周組織検査に基づいて計画的に行う治療とをうまく結びつけて行う必要があります。歯周病組織検査とは、レントゲン検査・口腔内写真検査・歯周ポケット検査などがあります。歯周ポケット検査は、短針という器具で歯と歯肉の間にできた溝(歯周ポケット)を計る検査です。ちょっとチクチクしますが、とても大切な検査です。当生協の歯科では、検査結果はなるべく患者さんに見ていただいて、治療法の決定に役立てるように心がけています。 メインテナンスとは、いったん歯周病治療が終了してから、病気の進行をおこさないように、定期的に受診していただき、状態に応じて歯周組織のケアを行っていくものです。メインテナンスの間隔は、各々の患者さんの歯周組織の状態によって設定し、一般的には半年に一回程度です。歯周病の進行が決定的になるのを防ぐためには、少なくとも一年に一回はチェックを受けるようにしてください。
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