第62回:重要さ増す女性外来 よりよいライフスタイルのために |
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水島協同病院産婦人科 大村 由紀子 |
女性外来について 1月から水島協同病院に「女性外来」を開設しました。「女性外来」は女性医師による女性のための診療科です。年齢、科を問わず女性ならばどなたでも受診できます。完全予約制とし、1人の患者様に約30分の診療時間を確保します。どの科にかかればよいか分からない、ゆっくり話を聞いて欲しい、女性の先生ならば話しやすいかも・・・といった患者さまの声に答えることができればいいなと思っています。基本的には相談が主となりますが、もちろん診断、診療も行っていきます。ただし専門科への紹介が必要と判断した場合には患者さまと相談の上他科紹介を行うこともあります。 女性のライフサイクル 女性の場合、思春期の時期に月経が起こり、やがて妊娠、出産という大きなイベントを経験し、そして更年期を迎えます。このような女性特有のライフサイクル(図)の中でそれぞれの時期に発症しやすい症状、疾患があります。思春期にはダイエットによるやせや摂食障害、また過換気症候群などが起こりやすく、心の病を併せ持つ場合もあります。また、月経前症候群、月経困難症といった月経に伴う身体的、精神的な苦痛症状を持っている女性も多いと思われます。妊娠、出産の多い20代、30代は同時に子宮内膜症や子宮筋腫が見つかることが多い時期でもあります。 日本人女性の閉経年齢は平均して50歳前後ですが、この閉経をはさんだ約10年間を更年期といいます。この時期には卵巣から分泌される女性ホルモンが急激に減少して更年期障害が起こることがあります。もちろんこれら全てが起こるわけではありません。体質や環境、生活態度、健康状態によって個人差は大きく、症状の全くない人もいますし、症状のある方でも軽症・重症の程度の差があります。 気軽に受診を 女性外来では患者さまの訴えに十分耳を傾け、よりよいライフスタイルを送ることができるようにお手伝いできればと考えています。ささいなことでも気になることがあれば気軽に受診してください。
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