第70回:予防が一番 インフルエンザ対策 | |
水島協同病院 院長 里見 和彦 |
寒くなってくるといよいよかぜのシーズンです。中でもインフルエンザは、症状が強く、時にひどい合併症を引き起こすため、種々の対策が大切です。 今回はインフルエンザについて、予防接種、診断と治療のための一般的な注意を取り上げてお話します。 効果的な予防接種 インフルエンザ予防の最も効果的な対策です。予防接種法では、65歳以上の方、60歳以上65歳未満で心臓、腎臓あるいは呼吸機能などの障害がある方が予防接種の対象になっています。それ以外の方は任意接種の対象です。効果は接種後半月から出現し、5カ月にわたって持続します。健康成人の発症を減少させる、高齢者の肺炎、入院、死亡を減少させるなどの効果が期待されます。 診断と治療 最近インフルエンザの診断と治療が一変しました。以前は「症状から診断し、対症療法で自然治癒を待つ」でしたが、最近では「迅速診断キットで確定診断し、抗インフルエンザ薬で治療する」に変わりました。迅速診断は、鼻腔、咽頭のぬぐい液を使用して診断するものです。治療薬は症状期間の短縮、合併症の減少などの効果があるようです。とりわけ発症24時間以内の治療開始が効果的といわれていますので、早めの受診を心がけましょう。 予防のための一般的な注意 以下は、私が日ごろみなさま方にお話しているかぜ予防のための10カ条です。参考にしてください。 (1)十分な睡眠で疲れをしっかり取り除こう、 (2)バランスよく栄養をとり体力を維持しよう、 (3)入浴後は湯冷めに気をつけよう、 (4)室内の空気は乾燥させないようにしよう、 (5)外出時(特に人混みが多いところ)マスクを、 (6)手をよく洗おう、 (7)うがい励行(1日3回、外出毎に)、 (8)ビタミンCを多く摂取しよう、 (9)皮膚の鍛錬、乾布摩擦を励行しよう、 (10)タバコは厳禁。 以上のことを守ってかぜを予防しましょう。 |