第72回:ノロウイルスは防げる 3つのポイント 手洗い、加熱、嘔吐物・便の処理 |
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水島協同病院臨床検査技師 藤岡 英子 |
ノロウイルスって何? ノロウイルスは、人に感染して小腸で増殖し下痢や嘔吐などの感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。1年を通じて発生していますが、特に冬場が発生のピークになる傾向にあります。
ノロウイルスの潜伏期間は1〜2日で、主な症状は下痢、嘔吐、腹痛などです。通常これらの症状が1〜2日続いた後、多くは治癒し、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もありますが、体力の弱い高齢者や小児は下痢や嘔吐などの症状がきっかけとなって重篤なケースも起こり得ることから、早めに医師の診察を受けましょう。 ノロウイルスにどうやって感染するの? ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染です。 ▼汚染された貝類を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合 ▼食品取扱者が感染しており、その人を介して汚染した食品を食べた場合 ▼ノロウイルス感染者の糞便や嘔吐物から二次感染した場合 ノロウイルスの感染予防法は ▼ノロウイルスは少ないウイルス量で人に感染するので、手洗いをきちんとすることが感染予防の基本です。食事の前や、トイレの後、生肉・魚介類などを取り扱った後、調理前など石鹸で30秒以上、流水で手を洗いましょう。 ▼糞便、嘔吐物の処理に気を付けましょう。嘔吐物などが乾燥すると容易に空気中に漂い、これが口に入って感染することが知られています。感染者の排泄の介助や糞便、嘔吐物の処理の際、家族が二次感染しないように処理することが大切です。 (嘔吐物の処理の仕方) (1)ペーパータオル等で、外側から内側にむけて静かに拭き取ります。 (2)拭き取ったものはすぐにビニール袋に入れ、封をして処分します。 (3)嘔吐物が付着していた床などは0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液をしみこませたペーパータオルで拭き取り、その後水拭きします。拭き取りに使用したペーパータオルなどもビニール袋に入れて処分しましょう。 ▼加熱の必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べましょう。魚介類などを取り扱った調理器具と、生のまま食べる野菜などを取り扱う器具は使い分けるか、十分に洗浄、殺菌するようにしましょう。熱湯(85℃以上で1分以上の加熱)や次亜塩素酸ナトリウム溶液(ハイターなど)が有効です。 |