第82回:高齢者とくすり | |
玉島協同病院 薬剤師 奥野 護 |
もらったくすりを正しく飲めない こんなこと、みなさんは経験ありませんか?くすりの種類が多すぎる、飲み方が難しい、飲んだかどうか忘れてしまう、飲むのが面倒になる、負担に感じる、ひとつぐらい飲まなくても大丈夫だろうと自分で判断してしまう、飲んでも効かない気がする‥‥などなど。
飲みにくいくすりについては、薬剤師に相談してみましょう。数が多い場合は1回分ずつパックにして調剤したり、飲みにくい薬は袋状・ゼリー状のオブラートを利用する方法があります。 副作用を見逃さないための7カ条 高齢者は副作用を見つけるのが難しい面があります。世話になっているという負い目を感じて、不都合があっても口に出されない場合、また逆に普段から不平・不満を訴えられて、周りの介護者がいつものこと‥‥と見過ごしてしまったり。 病気と同じで、副作用も早く見つければ早く対処でき、事無きを得ることがほとんどです。毎日、関心をもって観察することが副作用の早期発見につながります。変わった症状が出た場合、もともとの病気のための症状なのか、副作用のためなのか、判断しづらいことがあるかと思います。ですから、何でも医師・薬剤師に相談しましょう。 次の7カ条は、薬の副作用の発生をできるだけ少なく、軽く、そしてできれば未然に防ぐための大切な条件です。 (1)指示されたとおりに正しく飲みましょう。 (2)自分の判断で飲むのをやめないでください。 (3)服薬の状況を医師や薬剤師に「正直に」言いましょう。(飲んだ・飲まない・飲めない・飲みづらい等) (4)飲み忘れた分を、まとめて飲まないでください。(大変危険です) (5)他の病院でもらったくすりや市販のくすりを一緒に飲むときは、医師・薬剤師に言ってください。 (6)アルコールと一緒に飲まないでください。 (7)不都合な症状(副作用に限らず)が出たら、医師・薬剤師に相談しましょう。 |