第158回:リハシリーズ 「抗重力筋を鍛える!」
(水島協同病院リハビリテーション科主任 滝川章子)人類は地球上で唯一、直立二足歩行をする生物です。地球の重力に負けないように体を支える筋肉を抗重力筋と言います。主な抗重力筋は、僧帽筋・脊柱起立筋・腹直筋・腸腰筋・大殿筋・大腿四頭筋・下腿三頭筋などです。年をとると姿勢が悪くなり、足元がおぼつかなくなってきますが、これは抗重力筋の弱化が原因です。
抗重力筋の弱化は転倒・下肢骨折の要因となります。大腿骨頚部骨折・転子部骨折は40歳代から発症率が増加し、特に高齢の女性に多く発生します。骨折〜1年後までの死亡率は約10%。治療中に肺炎・循環器疾患・精神障害(認知症)などを合併する確率は非常に高く、骨折前の歩行能力に回復する人は50%程度なので、健康寿命(健康に過ごせる寿命)に大きく影響します。
@〜Eまでの動きをできる所までやって、2〜3秒止まる、逆パターンで元の姿勢に戻ります。
なるべくゆっくりと、途中でお腹と内腿・お尻の力を抜かないように注意して10回繰り返します。
体がぐらぐらする人は壁に軽くもたれてやってください。
はじめはEまでできなくても、毎日やっていると徐々にできるようになりますよ。