第195回:知っておきたい薬のはなしI高血圧の治療薬~血圧コントロールが重要~ |
水島協同病院 薬剤師 平井千晶 |
高血圧が続くと、命に関わるおそれがあります。血圧コントロールが重要です。「食事の味付け、濃くないですか?」 塩分の取りすぎにご注意を。 高血圧の状態が続くと全身の血管が硬くなり(動脈硬化)、将来、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気になる危険があります。症状がなくても、血圧をコントロールすることは重要です。 「血圧の値がいいから」といって降圧薬の服用をやめると、また元の血圧が高い状態に戻ってしまいます。自分の判断で薬を調節しないようにしましょう。 高血圧の薬は6種類よく使われる降圧薬には、次の6種類があります。 @アンジオテンシンU受容体拮抗薬血圧を上げる物質(アンジオテンシンU)の働きを抑えて血圧を下げる。 Aアンジオテンシン変換酵素阻害薬血圧を上げる物質(アンジオテンシンU)が作られないようにして血圧を下げる。 副作用に痰を伴わない咳(空咳)が起こることがある。 Bカルシウム拮抗薬血管を拡げて血圧を下げる。 グレープフルーツ(ジュースを含む)をとると、薬の効果が強くなりすぎてしまうことがあるため、カルシウム拮抗薬を服用中は摂取を控えるようにしましょう。 C利尿薬尿の出を良くして血管の中の塩分や水分を減らし、血圧を下げる。 Dβ遮断薬心臓のポンプ機能をゆるやかにさせて、心臓から送り出される血液量を少なくし血圧を下げる。 β遮断薬は気管支を狭める作用があるので、気管支喘息の方は注意が必要。 Eα遮断薬血管の収縮を抑え血圧を下げる。 降圧薬は種類も多く、同じ成分の先発医薬品、後発医薬品(ジェネリック医薬品)もあります。 人によっては複数飲まなければならない場合もあるため、薬を受け取るときは薬剤師に説明してもらいましょう。 注意すること降圧薬を飲んでいるときは、起立性低血圧に注意してください。降圧薬の効果が強く出ると、血圧が低くなりすぎて「立ちくらみ」や「めまい」のような症状が出ることがあります。特に高齢の方は起立性低血圧が起こりやすいため、ふらついてころばないよう注意しましょう。もしも、ひんぱんに「立ちくらみ」や「めまい」を感じるようなときには、医師、薬剤師に相談してください。 |