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健康シリーズ HEALTH


顔写真第38回:アレルギー性鼻炎について


水島協同病院 耳鼻咽喉科 松岡 弘

通年と非通年
 原因物質(アレルゲン)により通年性と非通年性に分類されます。通年性にはハウスダスト、ダニ、カビなどが含まれ、季節性にはスギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなど草木の花粉が含まれます。

症状の種類
 病状に発作性・反復性のくしゃみ、鼻水、鼻閉を三主徴としますが、一連の症状として眼症状(かゆみ、流涙)、咽頭症状(イガイガ)を伴うこともあります。診断には出現している症状のほかに鼻内所見のチェック、鼻汁好酸球検査、皮膚誘発テスト、血圧検査(特異的IgE)が有効です。また副鼻腔炎合併をチェックする意味でも鼻レントゲン検査もしたほうが良いでしょう。

治療はどうするの
 治療としては原因物質からの回避(マスク、メガネ)の他、薬物療法、減感作療法、手術療法があります。
 まず薬物療法ですが、抗アレルギー剤の内服、点鼻薬、点眼薬(眼症状あるとき)が中心となります。抗アレルギー薬でも抗ヒスタミン作用のないものと、あるものがあります。前者は効き方がマイルド(即効性はない)が眠気が出にくい。後者は即効性はあるが眠気が出やすいといった特徴があります。ただし後者も以前に比べればかなり眠気は改善されてきています。症状の程度とその人のニーズにより薬の選択を行います。点鼻薬には抗アレルギー薬(抗ヒスタミン作用あるもの、ないもの)、ステロイド、血管収縮剤があります。これも症状の程度や種類により使い分けます。減感作療法はアレルゲン特定された後アレルゲンを少量より注射に増量していく治療です。しかし頻回の通院が必要なこと、特定の医療機関でしか行っていないこと、また、ショックなどの問題点があります。

手術療法は
 手術療法としては外来で行えるものとしてレーザー治療があります。鼻症状一般に効果はありますが鼻閉に対してより効果的です。また入院が必要なものとして下甲介切除術があります。これは出血の危険がより高く数日間ガーゼを詰めるため約五〜七日程度の入院が必要です。ただしここで注意しておきたいのは手術療法の効果は永久のものではないということです。なぜかというと個人差はありますが、六〜十二カ月でもとの鼻粘膜に戻ってしまうからです。よって複数回の手術療法が必要なこともあります。

早期治療のすすめ
 以上のように治療について説明してきましたが、スギ、ヒノキのように季節性のアレルギーはできるだけ症状が出現する前に早期の治療開始をおすすめします。これは早期治療により症状発現が抑えられたり、症状発現しても軽度で済むことが多いからです。
当科では外来でのレーザー治療も行っておりますのでぜひお試しください。


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