第55回: 銀色の冠(クラウン、インレー)について |
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水島歯科診療所 歯科技工士 成瀬 猛 |
診療室で採られた歯の型は、直ちに2階にある技工室へと運ばれます。そこで、その型に石膏を流し込み、患者様のお口の中を再現した石膏模型を作成します。虫歯などで削られて、欠損部となってしまった所に、ロウのような材質を使い、もと有ったように、歯の形を再現します。(図1) 次に、出来上がったロウ原型をロストワックス鋳造法と呼ばれる特殊な技法を用い、材質を金属へと置き換えます。(図2) この技法は、指輪などの小さくて、細かいアクセサリーなどを作るときにも、よく用いられます。 最後に、金属を綺麗に磨き上げ、噛み合せなどを調整し、完成となります。(図3) よく目立つ前歯の場合は、先に作った金属のフレームの上に歯の色をした特殊なプラスチックを盛りつけていきます。さらに、保険治療の枠を超えて自費の分野に入ってくると、材料にセラミックなどを使用して、より自然な感じの歯に仕上げていきます。 簡単に説明させて頂きましたが、銀色の冠は、患者様一人ひとりに合せて丁寧に作られています。 |