第83回:麻疹(はしか)流行の兆し 予防接種外来へ相談を |
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水島協同病院小児科 高山 裕規 |
今年も、春先から「はしか」の流行が心配されています。水島協同病院診療部科長高山裕規医師(小児科)に話を聞きました。
麻しんは「はしか」とも呼ばれ、麻しんウイルスによって引き起こされる病気です。症状は、39℃前後の高熱が4〜6日続き、咳・鼻水・発疹等を特徴とします。空気感染、飛沫感染、接触感染と様々な感染経路があり、感染力がきわめて強い病気です。患者さんの約3割が合併症を併発し、そのおよそ半数が肺炎です。まれに急性脳炎を発症し、精神発達遅滞等の重篤な後遺症を残したり、死亡することがある大変恐ろしい病気です。 ワクチン接種で予防が可能に 麻しんは、ワクチン接種によって予防が可能な病気です。わが国では1978年10月から麻しんウイルスを弱毒化した生ワクチンが定期予防接種となりました。また、2006年からは、それまでの1回接種(1歳過ぎて2歳になるまで)に加えて小学校入学前1年に2回目の接種をするように、変更されました。 しかし2007年には、これまでの乳幼児中心の流行とは異なって、10代および20代を中心とした年齢層において麻しんの流行が発生し、多数の高校や大学において休校等の措置がとられました。そのほとんどが、予防接種をしていない人でした。今年も既に、全国で1月だけで659人の麻しん患者が発生しています。これから、春にかけて、さらに流行すると予想されます。既に、先進国では、約20年前から予防接種を2回することを実行して、麻しんは、ほとんど発症しなくなっています。 予防接種外来予約制です 予防接種について、先進国より20年遅れていると言われているわが国も、やっと重い腰を上げました。2008年4月から2012年までの間に、無料で中学1年生と高校3年生に麻しん・風しん混合ワクチンを2回接種して、麻しんの発生をなくそうということになりました。 なお、みずしま診療所小児科では、下の表のように予防接種外来を予約制で実施しています。電話でも予約できます。お気軽に相談して下さい。 ![]() |