みずむしは白癬菌(はくせんきん)というカビが皮膚に寄生することによりおこる病気です。多くの場合、皮膚に小さな水ぶくれを生じることから、「みずむし」と呼ばれるようになりました。
この菌は高温多湿の環境で活発になるため、春から夏にかけて悪化し、冬になるとおさまるという周期を繰り返すのが一般的です。しかし、近頃では暖房設備の充実やブーツなどを履く機会が増えて、季節を問わずみずむしに悩まされる人が多くなりました。
外用は最低3カ月
みずむしのタイプには(1)趾間型(2)小水疱鱗屑型(※図1)(3)角化型3つのタイプがあります。白癬菌が爪に感染すると爪白癬(※図2)といい、爪が白く分厚くなってくることがあります。
診断は顕微鏡検査を行い、皮膚の鱗屑に白癬菌を認めれば簡単に診断がつきます。治療は抗真菌剤の外用が中心ですが、難治の場合や爪白癬は内服療法を行います。外用治療によって1、2カ月でほとんどの人は症状が改善し治療を中断してしまう人が多いですが、白癬菌は皮膚の角層のケラチンを食べて住みつき、繁殖しているため、足の裏のように角層の厚い部分には皮膚表面の菌が死んでも角層の深い部分に残り、また症状を繰り返すパターンが多いため、完治しないようです。外用は最低3カ月、難治の方は6カ月の外用を目安にしてください。
感染しないために
白癬菌自体の感染力は強くはありませんが、みずむしの人が素足で使用したスリッパ、浴室の足ふきマット、カーペットなどは感染源となります。スリッパの共有をしない、マットやカーペットはこまめに取り替え、掃除機をかけ清潔にしましょう。みずむしは放置すると傷口から雑菌が入り、足が腫れ痛みが出てきたり、素人療法でかぶれを起こしてしまうケースも多いため疑わしい症状のある方はお早めに検査、治療を受けられることをおすすめします。
図1 水疱鱗屑型
図2 爪白癬
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