第180回:歯科シリーズB |
真備歯科診療所 歯科医師 田岡 大 |
「お口の中の細菌は、親から子どもへ移行しやすい」というのは、既にご存知の方も多いかと思いますが、とくに家族間では日常生活のいたる所で感染が起っているのが現状です。親が「虫歯タイプ」の場合は子どもも「虫歯タイプ」に、同様に親が「歯周病タイプ」の場合は子どもも「歯周病タイプ」になる可能性が高くなります。実際の診療においても、親子でタイプが同じことが多いと感じています。 虫歯や歯周病など、お口のトラブルで悩まされた方は、ご自身のお子さんやお孫さんも自分と同じような経過をたどって歯を失ってしまうかもしれません。ご自身が経験されたことを繰り返させないためにも、自分が「虫歯タイプ」か「歯周病タイプ」なのかを知り、それをお子さんやお孫さんへ伝えて早期受診のきっかけをご家庭でつくって頂きたいと思います。早い時期からの「虫歯タイプ」・「歯周病タイプ」それぞれに合わせた予防処置を行えば、歯を守ることができます。 特に歯周病は自覚症状が乏しいので、自分が「歯周病タイプ」であることを知らないまま、歯周病が重度に進行している患者さんが歯科に数多く来院されています。 「もっと早くに自分のタイプ≠知る機会があれば、歯を失わなくてよかったのに…」と日々感じています。 お口全体で重度に歯周病の進行した患者さんの治療では進行を食い止めるのは難しいのが現状です。 真備歯科では@ハイリスクの「歯周病タイプ」の若年者の患者さんの定期管理の徹底 A50〜60才代の重度歯周病の患者さんにお子さんの現状を聞いて、必要なら来院を促す早期発見の取り組み B技工士との連携(磨きやすいかぶせの形態の模索) C再生療法D職員全員で歯周治療の研修会への参加など、積極的に歯周病の予防と治療に取り組んでいます。 失われた歯はもとには戻りませんが、ご家族の将来失われる歯≠守ることができる可能性があります。ご家族の歯を守る活動へのご協力、お願いします!! 歯周病の初期症状簡単チェックリスト
歯周病で歯を失った方はとくに、ご家族にもあてはまらないかを聞いてみてください。ひとつでも当てはまるなら、早めの歯科受診を勧めてください! |