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健康シリーズ HEALTH

顔写真第24回「精神疾患について〈パート1〉」

水島協同病院精神科
遠藤健一郎

 人生のうちでは、つらいことに直面したときに、悩んで落ち込んだり、不安になったりすることがあるものです。頭の中が混乱したり、パニックになったりすることもあるでしょう。このようなことは、誰にでも起こってくるものです。しかし、普通ならばその程度はそれほど重くはなかったり、しばらくたったら回復してくるものです。でも、これらの状態が重かったり、なかなか回復しないのであれば、それは「こころ」の病、つまり精神疾患であると考えられます。これから、この精神疾患について話していきましょう。
 精神疾患は、さまざまな原因によって起こってくると考えられています。これらの原因によって、この精神疾患は大きく三つに分けられています。
 一つ目は内因性精神疾患というものです。これは、遺伝によるものであるとか、生まれるまえに起こった脳の血流の障害によるものであるとか、ウイルスの感染によるものであるとか、いろいろな説があるものの、はっきりした原因がわからないものです。これには、統合失調症とか、躁うつ病といわれる病気まで含まれています。
 二つ目は心因性精神疾患というものです。心因性とは、読んで字のごとく、「こころ」に原因があるという意味で、ショックとなる出来事で「こころ」が傷ついて病気になることです。親しい人と別れたり、勤めていた会社が倒産したりという最近の出来事が原因となるだけでなく、小さな子供のときに受けた虐待や、恐怖が「こころ」の傷となって尾を引いており、大人になっても不安などが起こってくることがあります。これには、神経症とか心因反応といわれる病気が含まれています。
 三つ目は身体因性精神疾患というものです。心因性が「こころ」に原因があるという意味に対して、この身体因性は「からだ」に原因があるという意味です。これはさらに二つに分けられており、そのうちの一つは脳器質性精神疾患といわれるもので、脳自身の病気によって起こるものです。もう一つは症状性精神疾患といわれるもので、脳以外の「からだ」の病気によって起こるものです。脳器質性精神疾患には、アルツハイマー病や脳梗塞による痴呆、脳腫瘍によるせん妄などが含まれており、症状性精神疾患には、甲状腺機能異常や膠原病による躁状態などが含まれています。



 表 精神疾患の分類
 
原 因
代表的な病気
症 状
内因性精神疾患
不明(遺伝?・胎児期の脳血流障害?・ウイルス感染?) 統合失調症、躁うつ病、非定型精神病 幻覚、妄想、躁状態、うつ状態など
心因性精神疾患
ストレスなどの悪環境 神経症、心因反応 不安、うつ状態、幻覚、妄想など
身体因性精神疾患
脳器質性疾患や一般身体疾患 アルツハイマー病、脳硬塞、脳腫瘍、甲状腺機能異常、膠原病による精神症状 痴呆、せん妄、躁状態、うつ状態、幻覚、妄想など

 このほかにも中毒性精神疾患、人格障害、精神遅滞などがある。

顔写真第25回「内因性精神疾患について〈パート2〉」

水島協同病院精神科
遠藤健一郎

 前回は、精神疾患は内因性精神疾患、心因性精神疾患、身体因性精神疾患と、大きく三つに分類できると言うことについてお話しました。今回は、このうちで内因性精神疾患についてお話したいと思います。
 前回に述べました通り、この内因性精神疾患の原因は、遺伝説、胎児期脳血流障害説、ウイルス感染説とか、いろいろな説があるものの、はっきりしたことはわかりません。内因性精神疾患のうちで代表的なものには、統合失調症と躁うつ病が挙げられます。
 このうち、まず統合失調症についてお話しましょう。古人は「人間は考える葦である」という言葉を残していますが、人間がもっとも人間らしくありえるのは、考えることができるからです。しかし、この考えることのまとまりがなくなったらどうなるでしょうか。ある考えが浮かんできては、その考えがまとまるまえに次の考えが浮かんできて、また、この考えがまとまるまでに、さらにつぎの考えが浮かんでくるといったようになり、頭の中が混乱してしまいます。このように、考えのまとまり、つまり、「統合」がうまくいかなくなる、つまり「失調」する病気が統合失調症です。
 この病気は、考えがまとまらないだけでなく、そのまとまりのなさを補うために幻の声、つまり幻聴やありもしないことの思い込み、つまり妄想が出現するのが特徴です。抗精神薬という種類の薬で症状を押さえることはできますが、治療をしていないと進行することがあるので気をつけなければなりません。
 二つ目として、躁うつ病についてお話します。これは躁病とうつ病に分けることができます。躁病とは、気分が高まり、物事に対して不適切にまで楽しく感じたり、場合によっては怒りっぽくなってしまう病気です。金遣いも荒くなり、借金をすることも珍しくありません。逆にうつ病とは、気分が沈み込み、無気力となり、閉じこもりがちになったりする病気です。著しい場合には自殺を試みることもあります。躁病の時期とうつ病の時期を繰り返す人もいますし、もっぱらうつ病の時期のみを繰り返す人もいます。気分安定薬や抗うつ薬という種類の薬で、この病気の症状を押さえることができます。
 内因性精神疾患には、これらのほかに非定型精神病という、統合失調症の特徴と躁うつ病の特徴を合わせ持つような病気もあります。



 表 内因性精神疾患の分類
病  名
主 な 症 状 
統合失調症
考えのまとまりのなさ(連合弛緩)
幻の声や音(幻聴)
ありもしないことの思い込み(妄想)
閉じこもりがち(自閉)
躁 病
気分の高まり(高揚気分)
物事に対する不適切なまでのたのしみ(多幸感)
怒りっぽさ(易怒性)
荒い金遣い(乱費)
うつ病
沈み込んだ気分(抑うつ気分)
無気力
閉じこもりがち(自閉)
自殺の試み(自殺企図)
非定型精神病
統合失調症と躁うつ病の症状をあわせもつ

顔写真第26回「内因性精神疾患について〈パート3〉」

水島協同病院精神科
遠藤健一郎

 内因性、心因性、身体因性と三つに分けられる精神疾患のうちで、今回は心因性精神疾患についてお話しましょう。心因性とは、第一回目でお話したとおり、「こころ」に原因があるという意味です。ショックとなる出来事があったときに、「こころ」が傷ついて病気になってしまうものが、心因性精神疾患です。この心因性精神疾患は、さらに大きく二つに分けることができます。一つは神経症と呼ばれるものであり、もう一つは心因反応と呼ばれるものです。これらについて、もう少し詳しく話していきましょう。

神経症とは?
 神経症というものは、この原因となる「こころ」の傷を受けた時期が幼児期や小児期にまでさかのぼれることも珍しくはなく、これが大人になって、無意識に葛藤となって現れてくるものです。症状としては不安が中心ですが、この不安とともに、気分が沈み込んだり、疲れやすくなったり、恐怖心が出てきたり、一つのことが頭から離れなくなったり、意識が傷害されたりします。これらの症状が軽くなったり、重くなったりしながら、何年も、場合によっては何十年も続いたりします。しかし、ほかの精神疾患ほど、症状がとても重くなるようなことはありません。原因となる「こころ」の傷自体も、その傷を受けてからずいぶんと時が経っていることが多いため、何が原因であったのかはっきりしないことも多いです。

心因反応とは?
 これに対して、心因反応はその原因となる「こころ」の傷を受けたあとに、わりと早く症状が現れるものです。この症状は一カ月から数カ月経ったら軽くなってしまうかわりに、その程度は重くなる場合も多く、抑うつや意識の障害などのみならず、幻聴や妄想といった、あたかも統合失調症のような症状も出現する場合があります。例えば、親しい人と死に別れたショックのあまり、気分が沈むことに加えて、その人の声が聞こえてくるといったようなものが、これに当たります。
 神経症であっても、心因反応であっても、心因性精神疾患の治療の基本は精神療法です。これは、話によって「こころ」の傷をやわらげていくことです。しかし、この精神療法だけでなく、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬といった類の薬も、その症状に合わせて使っていきます。
 三回にわたり、精神疾患について述べてきました。今までのご愛読、ありがとうございました。



 
特 徴
症 状
神経症
心理的原因は分かりにくい場合が多く、症状も何年、何十年と続く。
不安(不安神経症)
抑うつ気分(抑うつ神経症)
精神的疲労感(神経衰弱)
恐怖(恐怖症)
強迫観念(強迫神経症)
意識障害(ヒステリー)
心気症状(心気症)
心因反応
心理的原因が明らかであり、多くは急激に発生して、1ヵ月から数力月で治る。
躁うつ病様(躁状態、うつ状態)
統合失調症様(幻聴、妄想、支離滅裂)
身体因性精神障害様(意識障害)など


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