尿検査について
みなさんが病院に来られ、診察を受けた時に色々な検査をされると思いますが、今回は尿検査のお話をしたいと思います。
尿にはどんなものが含まれて出てくるのでしょうか?体の中で吸収されず残ったものが一緒に出てきます。
血液は体中をくまなくめぐっていますが、尿中のほとんどの成分は血液に由来しています。ですから、尿の変化は体の状態を広く反映しているのです。
尿から何がわかるのでしょうか?
腎臓や泌尿器系などの病気だけでなく、尿に糖分が出てくることで肝臓、膵臓の病気も分かることがあります。さらには、前立腺、生殖器系の病気、細菌・寄生虫感染や妊娠の判定、癌細胞までわかります。尿はたくさんのことが分かる大切な情報源なのです。
しかし、尿は自然に出てくるものですから、みなさんにとっては何等の苦痛も伴わず、簡単にできる検査ですね。
どのような検査をしているのでしょうか?
病院で行っている検査の一部を紹介します。
尿の性状(一般検査)と尿の細胞成分(沈渣検査)の検査が一般的です。
●尿の性状の検査
まず、尿の色調、混濁の様子などの観察をします。そして、薬剤のついた試験紙を尿につけて反応を調べます。ここで分かることは尿中の糖分、蛋白、赤血球・白血球、酸性・アルカリ性の割合などです。さらに、ビリルビン、ウロビリノーゲンという成分からは胆嚢や肝臓機能もわかります。
●尿の細胞成分の検査
細胞成分を顕微鏡で、百倍、四百倍に拡大して観察していきます。ここでは尿中に含まれる様々な細胞、微生物、結晶、分泌物などが見られます。この検査から病気を特定できることもあります。
これで尿検査とはどんなものか分かっていただけたと思います。採尿する時、10〜30c.c.程度の量で検査はできます。そして、できるだけ新鮮な尿を提出してくださいね。尿からみなさんの体の様子をしっかり検査するためよろしくおねがいします。そしてご自分でも尿の色やにおいで気になることがありましたらお気軽に病院にお尋ねください。さらに班会でも健康チェックで尿検査をしていただいて、日頃から健康管理に気をつけていくようにしましょう。