検診って有効?
近年、検診の有効性について議論されています。検診で見つかっても助かる確率が変わらなければ、その検診は有効でないという評価になります。つまり死亡率を減少させることができる有効な検診は何か?ということです。
現在、死亡率が下がる十分な根拠がある検診は、乳ガン(視触診とマンモグラフィー併用、50歳以上)、子宮頚ガン(細胞診)、大腸ガン(便潜血検査)と言われています。
えっ!検診ってすべてが有効なんじゃないの???と思われる方もいると思います。死亡率の減少を目標とした場合、まだ十分証明されていない検診も多いのが事実です。乳ガン検診で特に、今まで検診を受けてこられた50歳以上(特に60歳以上)の方は積極的に検診時にマンモグラフィーをとってもらう気持ちでいた方が良いかもしれません。
マンモグラフィーとは
マンモグラフィーとは、乳房のレントゲン写真のことです。普通の写真と大きく違うことは厚みを一定にするために乳房をはさんでとることです。特にマンモグラフィーの良いところはしこりはしこりとして触れない乳ガン、つまり早期乳ガン発見に優れていると言われています。また、マンモグラフィーには三つのきまりがあります。十分な精度を持った撮影機器、マンモグラフィーを専門にとることをトレーニングされた技師、写真を専門に評価することをトレーニングされた医師の三つです。この三拍子がそろわないと十分な検診ができないと言われています。当院はこの三つを満たし皆様に責任を持っていきたいと考えています。
第一歩
今、自分の乳房に手が触ろうとしているあなた!それが先ず最初の視触診の始まりです。
今回は視触診についてふれませんが、乳房にしこりが触れると思われる方、自分で触っても良くわからない方、遠慮なく一度外来にお越しください。病気がないことを確かめるために、病気について確かな知識を得るためにお越しください。
ガン検診の有効性評価(厚労省研究班の報告書から) |
(1)死亡率が下がる十分な根拠がある |
●子宮頸ガン |
細胞診 |
●乳ガン |
視触診とマンモグラフィー併用、50歳以上 |
●大腸ガン |
便潜血検査 |
(2)死亡率が下がる相応の根拠がある |
●胃ガン |
胃X線検査 |
●乳ガン |
視触診とマンモグラフィー併用、40歳代 |
●肺ガン |
胸部X線撮影と喀痰(かくたん)細胞診の併用 |
●肝ガン |
肝炎ウイルス検査 |