第117回:ストレスと上手につきあおう
「五月病」の対策と対処の仕方 |
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大橋英智医師 |
風薫る5月。さわやかな季節の一方、4月の進学・就職・配置転換などで環境が大きく変わってひと月、「五月病」が心配される時期でもあります。水島協同病院の大橋英智医師に聞きました。(編集部)
「五月病」の由来は・・・
4月は進学・就職・配置転換など環境が大きく変わる季節。新しい環境にうまく適応できず、あるいは適用しようとがんばりすぎて、5月の連休を過ぎたあたりから、うつ病状態になることを、いわゆる「五月病」といいます。
もともとは、厳しい受験戦争を勝ち抜いて大学に入学した学生に、まとまった休みをきっかけに急激に気力を失う人が多くみられることから名前がついたものです。
症状と対応策は・・・
環境が変わると、新しい生活に慣れるために肉体的にも精神的にも疲れるもの。それは大きなストレスとなって心身にのしかかります。
「五月病」は通常、その時だけのものですが、ストレスをためたまま引きずってしまうと、登校拒否と出社拒否、うつ病など心の病の引き金になってしまうこともあります。
症状としては精神面では無気力、おっくう、気分の落ち込み、イライラなどがあります。身体面では不眠、食欲低下、頭痛や腹痛などがあります。症状に気づいたら、まず十分に休養をとって身体と心を休めること。時にはのんびり過ごす、趣味に興じるなど気分転換を図りましょう。誰かに相談したり、愚痴をこぼすだけでも楽になることがあります。
元気に過ごす6カ条・・・
そうは言ってもストレスの多い現代社会。完璧にストレスを避けるのはむつかしい。ならば、上手に付き合っていくしかありません。特に、几帳面な人、頑固で物事にとらわれやすい人、完璧主義者、相手に合わせて自分を抑えてしまう人ほどストレスを受けやすいようです。
そこで、次の6カ条が重要だと思います。
- ストレスを前向きにとらえる。
- 完璧主義は捨てる。
- 自分を客観的に観察する。
- できないことは「できない」と言う。
- 愚痴をこぼす。
- 自分に合ったストレス解消法を身につける。
以上のようなことを実践し、ストレスに負けずに乗り切っていきましょう。
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